当院のリウマチ専門外来は、関節リウマチを始めとする「膠原病」を主に専門的に診療する外来です。膠原病の三大特徴は、慢性炎症性・自己免疫異常・臓器障害です。身体のあちこちで免疫のバランスが乱れたことによって炎症(腫れる、熱をもつ、赤くなる、痛い)が持続し、特に関節や筋肉などがターゲットになると、リウマチ症状と言われる身体のふしぶしの痛みが主症状になります。また内臓で同様の炎症が生じると、生命にも関わるようなダメージが引き起こされます。発病に際してみられる症状は様々で、原因不明の発熱、手足の冷感(レイノー症状)やこわばり、複数の関節痛、皮膚の変化(紅斑、紫斑など)、あるいは腎臓や肺の異常などがみられます。従って、出来るだけ早期に適切な診断をつけること、および的確な見通しのもと、必要に応じた十分な治療を行うことが重要です。関節リウマチなどの膠原病が疑われた場合、あるいは心配される場合は、この疾患に精通した専門医(リウマチ学会専門医)の診察を受けることが必要です。特に関節リウマチの診療はここ数年、急激に進歩しています。従来、症状が改善しても、徐々に進む関節の破壊や身体障害の進行は避けられないものとされていましたが、新薬を含む有効な治療を適切に行うことで、素晴らしい成果が認められています。関節が壊れることなく生活を全うできる(寛解状態)のみならず、 いったん壊れた関節の修復やあるいは薬が不要な状態を達成できる可能性も報告されています。ほどほどに安定しているからといってあきらめないで、一度専門医に相談し新しい治療方法を聞いてみることは、決して無駄にはならないと思います。
手指と手関節の腫れがみられる
関節リウマチ患者様の手
レイノー症状を呈する
強皮症患者様の手