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第23回「日本老年看護学会」に参加して
第23回「日本老年看護学会」に参加して
看護部2階病棟科 市橋乃里子、渡辺雪子
平成30年6月23日に、第23回老年看護学会学術集会が久留米で開催されました。
学術集会長の中島洋子先生の講演「つなぐ つくる つたえる老年看護の創出-より豊かに生きることを支え合う」を聞かせていただき、日本の高齢化率の上昇により、認知症高齢者数が増加しており、認知症の早期発見、認知症予防の必要性と、医療者、専門職、行政が高齢者支援のための地域ネットワークを作り活動することで、高齢者が住み慣れた地域で豊かな生活が送れるように連携、協働していく事が重要であると学びました。
私は今回「睡眠覚醒リズムに変調をきたした慢性期超高齢患者への看護実践」という演題で発表させていただきました。
右側頭葉皮質下出血で日中は閉眼状態で昼夜逆転の患者様でしたが、バランスボール運動で座る為の身体作りを行ないながら端座位を行った所、窓の外を眺めたり看護師を追視する頻度が増えたり、タッチングを加えると笑っているような良い表情が見られるようになりました。座位時傾いていた身体も6ヵ月後には自分でバランスを取ろうとし、軽い支えで座っていられるまでになりました。慢性期の覚醒度の低下した超高齢患者でも、循環動態、疲労状態を考慮しながら短時間で開始した事で、身体への負担はみられずに、睡眠覚醒リズムを整える事が出来、現在でも日中は覚醒され、夜間はほぼ閉眼状態で経過されています。今後も継続して取り組みを行なっていこうと考えています。
第13回「日本ヒューマンナーシング研究学会」に参加して
第13回「日本ヒューマン・ナーシング研究学会」に参加して
平成29年10月21日に、第13回日本ヒューマン・ナーシング研究学会が岐阜県で開催されました。
「生きることを支える~NICDの挑戦」という大会テーマのもと、2つの教育講演と25の演題発表がありました。
教育講演では、原疾患の治療のみならず積極的な栄養評価・管理を行い、筋肉が減少し健康障害に陥りやすい状態となる、栄養の負の連鎖を断ち切るよう努めていかなければならないと話されており、医師・栄養士などとの連携を図りながら栄養管理を行っていくという看護師としての役割を再認識する機会となりました。また、正当な看護の評価という講演では、自分たちが行っている看護を振り返る機会となりました。
また、25の一般演題ではベースが同じでも、いろいろな視点で展開していくことで、患者様それぞれにあった、もしくは家族の希望に結びつく結果が報告されておりNICDの生活に及ぼす影響について再認識することができました。
私は今回、「高度認知症高齢患者の反応を引き出すアプローチ」という演題で事例発表をさせていただきました。
入院当初は寝たきりで反応が乏しく、覚醒と睡眠が確立されていなかった患者様に対し
介入を行なった結果、高齢で認知症があっても、日中に起きて夜に眠るという基本のサイクルを取り戻し、表情や言葉、手の動きなどさまざまな反応を引き出すことができたという
事例でした。
今回の学会に参加し、あらためて継続の重要性を、実感することができました。
投稿者:2階病棟科 主任 伊勢谷暁子
第37回札幌市病院学会
平成29年2月4日に第37回札幌市病院学会が開催されました。
私は昨年度の札幌市病院学会で、4階病棟で取り組んだ事例発表を行いました。昨年度より各部門の演台の中から学会賞が選ばれることになりました。そして当病棟の発表事例が学会賞をいただき、その演者として表彰式に参加する機会がありました。
事例は、長期臥床の機能性便秘のある70代女性に対して、腹臥位での背臀部と腹部へのバランスボールを用いた微振動を8週間行いました。その結果、下剤や浣腸に頼らない排便習慣を確立することが出来ました。その患者さんの家族も介入や患者さんの変化をとても喜んでくれたのが印象的でした。病棟全体で日々のケアとして取り組み、患者さんに変化を起させた結果が評価され非常に嬉しく感じました。
当院で取り組んでいる用手微振動は、消化管機能の改善に対して有効な看護援助です。また、身近に実践できるため、今後の臨床においても入院患者さんへ継続していきたいと考えています。
投稿者:4階病棟科 竹内あゆみ
第12回「日本ヒューマンナーシング研究学会」に参加して
平成28年10月15日に第12回日本ヒューマンナーシング研究学会 学術集会が札幌で開催されました。
私は今回初めて本学会へ参加し、当院の取り組み(NICD:意識障害・寝たきり患者の生活行動回復看護)を発表させていただけて光栄だと感じました。
今回取り組んだ事例は、80歳代の男性で術後の絶食により嚥下機能の低下をきたした方でした。本人の食事への希望が強かったこと、認知機能の低下がなかったため、食前のストレッチや複数回嚥下を指導し食事行動の回復を可能にすることができました。家族との関わり方についての質疑もあり、NICD の取り組みにおいて家族の存在は重要なものであることを再認識しました。
大きな会場でその場にいる方々に伝わるように工夫したパワーポイントや発表原稿を作成する過程は私自身とても勉強になりました。そして、どこの施設でも、熱心に取り組まれている様子が伝わってきました。特にほんの僅かな反応を見逃さず改善が見込める可能性を追求した事例は日々のスタッフの観察力が強く影響を及ぼすものだと思いました。他施設での取り組みを参考に、患者への看護実践に更に力を注いでいきたいと感じました。
ナーシングバイオメカニクスに対する意識調査の結果から、家族への指導にも有効と考えられるという研究があったが、地域包括ケアシステムの構築や在宅医療の推進と言われている中でNICDの取り組み事体が大変意義のあるものだと思います。寝たきり状態の方が座れる、食べられないと思っていた方が食べられるというのは人らしい生活を取り戻せることに繋がっていくのではないかと考えます。
地域に戻った方が少しでも自分らしい生活を送れるように、病院という場所において私自身ができることを継続していきたいと思います。
会場前にて
投稿者:4階病棟科 副師長 高橋恭子
日本老年看護学会第21回学術集会に参加して
平成28年7月23・24日の2日間、埼玉県大宮市で日本老年看護学会第21回学術集会が開催されました。「死を見据えたケア:高齢者本人とケアチームによるケアの創造と統合へ」というテーマのもと教育講演の他、多数の交流集会が行われました。
私たちは3階病棟で取り組んだ看護介入事例である「寝たきりとなった急性期治療を必要とする患者への生活行動再獲得に向けた取り組み」を発表させていただく機会をいただきました。高齢者は入退院を繰り返す毎に寝たきりとなる方が少なくありません。
今回、入退院を繰り返す90歳の高齢者に対し、治療と同時に機能回復に向けた介入を行うことにより筋力が増強し、症状の悪化がなくボール運動と座位訓練を実施でき、生活行動の改善が見られた事例を報告しました。
会場からはたくさんの質問をいただき、あらためて自分達が当たり前のように行っている看護が有意義なものであるということを感じました。
他の発表で興味深かったのは高齢者への摂食・嚥下演習の熟練者との共同で教育した効果の報告です。当院でも摂食・嚥下不良の患者が多く、発表の内容が興味深く共感でき勉強になりました。人間にとって最後まで食事出来るのは大事でそのためには私たちが工夫、努力してケアしていかなければいけないと再度考えさせられました。
今後も患者様の生活の質を少しでも向上できるようなケアを、病棟全体で取り組んでいきたいと思います。
投稿者:3階病棟 宮川、森、大友