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『第24回老年看護学会学術集会』に開催しました
令和元年6月8日に仙台にて第24回老年看護学会学術集会が開催されました。
東京大学名誉教授である松下正明先生の講演「エイジズムから尊厳に満ちた社会へ」を聞かせていただき、医療者である私たちが、認知症高齢患者の人権や尊厳を守るという意識を強く持ち、老年看護に携わっていくことが重要であると実感しました。
私たちは、「長期臥床による関節拘縮を有した高齢患者へボール運動を介入した効果について」という演題で発表させていただきました。
長期の臥床により四肢の関節拘縮が強く認められましたが、4週間のボール運動を実施したことで、関節可動域の拡大がみられました。その結果、日常生活面の援助で更衣等の処置がしやすくなり、処置時の患者の苦痛表情も見られなくなった、などの意見がスタッフから聞かれました。また、2事例共に、2週間では変化がなく4週間後に変化が見られたことから、長期臥床の拘縮の改善には時間がかかること、4週間という期間で関節拘縮の状況を評価することの重要性について、再認識することができました。
本研究に関しては、2事例でしたが、今後も関節拘縮を有した患者様に対して、このような取り組みを実施していきたいと思います。
第23回「日本老年看護学会」に参加して
第23回「日本老年看護学会」に参加して
看護部2階病棟科 市橋乃里子、渡辺雪子
平成30年6月23日に、第23回老年看護学会学術集会が久留米で開催されました。
学術集会長の中島洋子先生の講演「つなぐ つくる つたえる老年看護の創出-より豊かに生きることを支え合う」を聞かせていただき、日本の高齢化率の上昇により、認知症高齢者数が増加しており、認知症の早期発見、認知症予防の必要性と、医療者、専門職、行政が高齢者支援のための地域ネットワークを作り活動することで、高齢者が住み慣れた地域で豊かな生活が送れるように連携、協働していく事が重要であると学びました。
私は今回「睡眠覚醒リズムに変調をきたした慢性期超高齢患者への看護実践」という演題で発表させていただきました。
右側頭葉皮質下出血で日中は閉眼状態で昼夜逆転の患者様でしたが、バランスボール運動で座る為の身体作りを行ないながら端座位を行った所、窓の外を眺めたり看護師を追視する頻度が増えたり、タッチングを加えると笑っているような良い表情が見られるようになりました。座位時傾いていた身体も6ヵ月後には自分でバランスを取ろうとし、軽い支えで座っていられるまでになりました。慢性期の覚醒度の低下した超高齢患者でも、循環動態、疲労状態を考慮しながら短時間で開始した事で、身体への負担はみられずに、睡眠覚醒リズムを整える事が出来、現在でも日中は覚醒され、夜間はほぼ閉眼状態で経過されています。今後も継続して取り組みを行なっていこうと考えています。
第37回札幌市病院学会
平成29年2月4日に第37回札幌市病院学会が開催されました。
私は昨年度の札幌市病院学会で、4階病棟で取り組んだ事例発表を行いました。昨年度より各部門の演台の中から学会賞が選ばれることになりました。そして当病棟の発表事例が学会賞をいただき、その演者として表彰式に参加する機会がありました。
事例は、長期臥床の機能性便秘のある70代女性に対して、腹臥位での背臀部と腹部へのバランスボールを用いた微振動を8週間行いました。その結果、下剤や浣腸に頼らない排便習慣を確立することが出来ました。その患者さんの家族も介入や患者さんの変化をとても喜んでくれたのが印象的でした。病棟全体で日々のケアとして取り組み、患者さんに変化を起させた結果が評価され非常に嬉しく感じました。
当院で取り組んでいる用手微振動は、消化管機能の改善に対して有効な看護援助です。また、身近に実践できるため、今後の臨床においても入院患者さんへ継続していきたいと考えています。
投稿者:4階病棟科 竹内あゆみ
日本老年看護学会第21回学術集会に参加して
平成28年7月23・24日の2日間、埼玉県大宮市で日本老年看護学会第21回学術集会が開催されました。「死を見据えたケア:高齢者本人とケアチームによるケアの創造と統合へ」というテーマのもと教育講演の他、多数の交流集会が行われました。
私たちは3階病棟で取り組んだ看護介入事例である「寝たきりとなった急性期治療を必要とする患者への生活行動再獲得に向けた取り組み」を発表させていただく機会をいただきました。高齢者は入退院を繰り返す毎に寝たきりとなる方が少なくありません。
今回、入退院を繰り返す90歳の高齢者に対し、治療と同時に機能回復に向けた介入を行うことにより筋力が増強し、症状の悪化がなくボール運動と座位訓練を実施でき、生活行動の改善が見られた事例を報告しました。
会場からはたくさんの質問をいただき、あらためて自分達が当たり前のように行っている看護が有意義なものであるということを感じました。
他の発表で興味深かったのは高齢者への摂食・嚥下演習の熟練者との共同で教育した効果の報告です。当院でも摂食・嚥下不良の患者が多く、発表の内容が興味深く共感でき勉強になりました。人間にとって最後まで食事出来るのは大事でそのためには私たちが工夫、努力してケアしていかなければいけないと再度考えさせられました。
今後も患者様の生活の質を少しでも向上できるようなケアを、病棟全体で取り組んでいきたいと思います。
投稿者:3階病棟 宮川、森、大友
日本老年看護学会第20回学術集会に参加して
平成27年6月12日、13日、14日の3日間、神奈川県横浜市で日本老年看護学会第20回学術集会が開催されました。29回日本老年学会として、日本老年医学会・日本老年歯科医学会等、7学会合同での開催でした。
「良質な長高齢社会を拓く;学際的な研究の発展と深化をめざして」に基づき、看護学会では「超高齢社会における看護の可能性」というテーマのもと教育講演の他、多数の交流集会が開催されました。また、高齢者の日常生活機能、家族支援、高齢者の自立支援、認知症ケア等のカテゴリー別に、講演とポスター発表を合わせて200誓い演題がありました。
私は、昨年度に2階病棟で取り組んだ看護介入事例である「寝たきり超高齢患者の生活行動拡大への看護~排泄・摂食動作の再構築ができた看護事例~」をポスター発表させていただく機会をいただきました。
100歳という超高齢患者様でも、負担の少ない形で介入することで端座位を獲得することができ、そこから日常生活の行動拡大ができたという結果に関心をいただき、学生、看護学校の先生、看護師等、いろいろな視点をもった方達にポスターを見にきていただくことができました。また、直接意見交換をさせていただくことで、今回の介入は患者様の生活の質の向上にもつながっており、継続していくことが大事であるということを再認識する機会となりました。また合同シンポジウムの講演でも「食べることにまつわる意思決定支援」というテーマで、医師、歯科医師、訪問看護師によりそれぞれの専門職の立場から、高齢者の代理者としての家族の価値観と選択から、意思決定支援につなげているとの報告がありました。私の発表の内容とも重なり、元気であった頃の日常生活でのこだわりや看護に対する希望など、患者様の意思を良く知る家族様との対話の中から情報を得、患者様の意思に近い看護を提供できるよう、関わっていくことが大事だと改めて感じました。
高齢者の特性に配慮し、患者様の生活の質が少しでも向上できるよう、今後も日常生活行動回復看護を継続していきたいと思います。
投稿者:2階病棟 看護師 伊勢谷暁子