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第12回「日本ヒューマンナーシング研究学会」に参加して
平成28年10月15日に第12回日本ヒューマンナーシング研究学会 学術集会が札幌で開催されました。
私は今回初めて本学会へ参加し、当院の取り組み(NICD:意識障害・寝たきり患者の生活行動回復看護)を発表させていただけて光栄だと感じました。
今回取り組んだ事例は、80歳代の男性で術後の絶食により嚥下機能の低下をきたした方でした。本人の食事への希望が強かったこと、認知機能の低下がなかったため、食前のストレッチや複数回嚥下を指導し食事行動の回復を可能にすることができました。家族との関わり方についての質疑もあり、NICD の取り組みにおいて家族の存在は重要なものであることを再認識しました。
大きな会場でその場にいる方々に伝わるように工夫したパワーポイントや発表原稿を作成する過程は私自身とても勉強になりました。そして、どこの施設でも、熱心に取り組まれている様子が伝わってきました。特にほんの僅かな反応を見逃さず改善が見込める可能性を追求した事例は日々のスタッフの観察力が強く影響を及ぼすものだと思いました。他施設での取り組みを参考に、患者への看護実践に更に力を注いでいきたいと感じました。
ナーシングバイオメカニクスに対する意識調査の結果から、家族への指導にも有効と考えられるという研究があったが、地域包括ケアシステムの構築や在宅医療の推進と言われている中でNICDの取り組み事体が大変意義のあるものだと思います。寝たきり状態の方が座れる、食べられないと思っていた方が食べられるというのは人らしい生活を取り戻せることに繋がっていくのではないかと考えます。
地域に戻った方が少しでも自分らしい生活を送れるように、病院という場所において私自身ができることを継続していきたいと思います。
会場前にて
投稿者:4階病棟科 副師長 高橋恭子